──健康を「やりすぎる」と、身体はかえって壊れる
健康に気を遣っていた人が、早く亡くなった話
患者さんと話していて、印象に残った話があります。
とてもお金持ちで、高級住宅地に住み、車も十数台所有。
健康にも強いこだわりがあり、
- 食材は決まった信頼できる場所からしか買わない
- 調味料にも徹底的にこだわる
- 外食はほぼせず、基本は自炊
いわゆる「完璧な健康生活」を送っていたそうです。
ですが、その方は60歳前後で亡くなられた。
もちろん、亡くなった理由は一つではありません。
体質、病気、運、さまざまな要因が重なった結果でしょう。
ただ、この話を聞いて、僕はこう感じました。
何事も、行き過ぎると身体にとっては負担になる。
健康も例外ではない。
「正しいこと」を極めるほど、身体は緊張する
健康のために
- 良い食事
- 適度な運動
- 規則正しい生活
これは間違いなく大切です。
でも、それが
「守れないとダメ」
「崩れると不安」
「常に正しくいなければならない」
に変わった瞬間、身体は無意識に緊張します。
臨床でよく感じるのは、
健康に真面目な人ほど、身体が硬いということ。
特に、首・背中・お腹。
呼吸が浅く、自律神経が休みにくい状態になっている方が多いです。
毒も薬になる、という考え方
ここで大事なのが、
「毒も、量や使い方次第で薬になる」という視点。
身体は、
少しの刺激が入ることで、回復力が働くようにできています。
・運動しなさすぎると弱る
・やりすぎると壊れる
これは誰でもイメージできると思います。
食事も同じです。
「たまのジャンク」は、身体というより“巡り”を守る
誤解してほしくないのは、
「ジャンクフードが健康に良い」という話ではありません。
ただ、
- たまにラーメンを食べる
- 好きなものを気にせず食べる日がある
- 完璧を一度手放す
こうした行為が、
身体を縛っていた緊張をほどくことがあります。
すると、
- 呼吸が深くなる
- 睡眠の質が変わる
- 食欲や排泄が整う
結果として、
回復する力がちゃんと働き始める。
良いもの“だけ”を取り続けると、
身体は逆に「守り」に入り、治そうとする力が鈍ることもある。
健康で一番怖いのは「極端」
これまで多くの患者さんを見てきて感じるのは、
- 食事
- 運動
- 仕事
- 健康習慣
すべてにおいて、
極端な人ほど、どこかでバランスを崩すということ。
身体はロボットではありません。
揺らぎながら、微調整しながら生きています。
だからこそ、
少しの遊び、少しの毒、少しのズレが、
結果的に“薬”になることがある。
鍼灸が得意なのは「やりすぎた状態」を戻すこと
鍼灸治療でよく起こるのが、
- 身体が緩む
- 呼吸が深くなる
- 頭がぼーっとする
- その夜、よく眠れる
これは、
頑張りすぎてONになりっぱなしの身体が、OFFに切り替わったサインです。
鍼灸は、
「足りないものを足す」というより、
入りすぎた力を抜いて、回復力が働く余白を作る治療だと考えています。
まとめ
✔ 健康も、やりすぎは負担になる
✔ 正しさに縛られると、身体は緊張する
✔ 少しの毒が、回復力を目覚めさせることがある
✔ 鍼灸は“頑張りすぎた身体”をニュートラルに戻す
もし今、
「ちゃんとやっているのに、どこかしんどい」
そんな感覚があるなら、
それは身体からのメッセージかもしれません。
健康は、完璧を目指すものではなく、
巡り続けるもの。